126.バッドマン

 朝いちからゴンゴンはビニールを舐めて気持ち悪くなり、わざわざパパのお布団まで行ってゲロゲロしました。次に熟睡しているドンごろーに突然噛み付いて素早く隠れます。猫のケンカはまず睨み合い、頭を突き合わせて唸ってから始めるのがルールなのに、寝ている時にいきなり襲われたドンは訳が分かりません。

「いったい誰ずら?」

 ママが猫のトイレ掃除を始めると、何度も行き来して少しずつ処理する間(流すタイプの砂)ドアが開けられるようになります。普段はゴンが誰かを閉じ込めないように、外側からフックを掛けて封鎖してあります。ゴンはこのチャンスを見逃さず、コバンを誘い込んで便器のたまり水を覗かせました。コバンは水を見ると“お清め”をしないではいられません。幸いママが飛んで来ましたが、気付かなかったら水浸しになっていたでしょう。ゴンは自分だけさっさと逃げ、残されたコバンは納得がいかない様子です。

「奥方様っ!このような不浄な水はいけませぬ! 」「いーのいーの」「良くありませぬ!この水は絶対清めなければ」「いーからやめれ!」「しかしここは見過ごせませぬ!」「ここだけはやめんかーーっ!!」

 手を突っ込んでジャバジャバしようとするコバンを何とか連れ出します。

 ゴンはその頃棚の上で寝ていたガンちゃんを、ベッドごと蹴落として喜んでいました。物が散乱する床で、ベッドを見付けたおデン様はご機嫌です。

「おぉ!このような所にベッドがあったのじゃな。
これは良いではないか」

 その向こうではゴンがダンゴ君の獲物を横取りし、家具の隙間に入れてしまいました。

「それは僕のです〜。返してくださーい」

 ゴンは知らんぷりでキッチンに来て、コーヒー缶を持っているママの手に頭突きします。飛び散ったコーヒー粉をママが拭き、気を取り直してお湯を注ごうとするとまた頭突きするのです。

「こぉ〜の! あほんだらがあぁぁーっ!!」

 ついにオカン山が噴火しました。本日1回目の爆発です。でもまだ朝ですよ。

「ばかったれぇぇ〜!!」

 今日もゴンとの戦いは始まったばかりなのです。

2017-11-07 18:39 

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