327.ピカピカ・ドッカーン!

 梅雨末期の天候不順が続くスットコランドに、怪しい黒雲が近づいて来ました。

「この光はなにっ!?」ボンにゃんが異変に気付きます。

「これはイナビカリじゃな!」おデン様は窓から離れます。

激しい雷雨になりました。

ドッカーーン!!

 ダンゴ君は固まってしまい声も出ません。「あ⋯ぁ⋯⋯!!」

 ゴンゴンは、いち早く安全な場所を確保しています。「オレ繊細なんだからさぁ。勘弁しちくれよぉ」「こえーじゃねぇかよぉ〜」「やめちくれよぉ〜」

 しかし雨も雷もますます強くなり⋯。

「雷獣が近くに落ちたようでござるな」「帝国軍の爆撃ではありませんか?」こちらは押入れに避難したコバンとガンちゃん。

 そしてドンごろーは玄関で⋯。

 アンタそんなとこで何やってるの?「え、いや⋯なんつぅかその⋯」「オラはお外の様子を確かめて来ようかと⋯」

 外は水浸しだし、危ないから出ちゃダメよ。お部屋に戻りなさいっ。

「う、うん」「戻りたいんだけど オラ⋯」腰が抜けちゃったみたいですねー。

2021-07-14

325.猫屋敷の怪・もっともっと

 猫屋敷の脇の運河では、不思議なものをよく見かけます。

「ボク落し物でーす。誰か拾ってくれませんか?」
未確認物体漂流中!

 この白っぽい物(右中央)は木の枝かと思って見ていたのですが、クネクネと泳ぎ回ったのち潜って行きました。雨で暗いので、解像度を上げてもよく見えません。

 猫屋敷の中では、コバンが邪悪な影に襲われています。「な、何でござるかっ!!」

 おデン様は、謎のまっくろくろすけの出現に、困惑のご様子。「なんじゃコレは?」

 キッチンではボンにゃんが降ってくるので、ドンごろーとダンゴ君が驚いていました。「なんずらぁ!?」「どしたんですかっ!」

 ドアの下の隙間には、異界へと誘う妖怪のお手手が⋯。

 お布団の下にも潜んでいるので、ゴンゴンが見張っています。

 こちらではダンゴ君が、勇気を出して触ってみました。「こ⋯これは⋯」

 ゴンの背後からは、オニが覗いていますし、前に居るコバンのほっぺたが、半分に切れているのも気になるようです。「アイツ変じゃね?」

 考えてもよく分からないので、ガンちゃんの生首に寄り添って、眠ることにしました。

 運河ではオバケが笑っていましたよ。

2021-07-03

324. 猫屋敷の怪・リターン

 空に謎の生命体が浮かんでいた日⋯。

 猫屋敷の中ではドンごろーが、ホラーハンドに襲われていました。「今日は尻尾を抜かれねぇように、うまく逃げるずら〜」

 けれどガンちゃんは、取られてしまったようですね。

「えっ! 私の尻尾ありませんか!?」

「尻尾なら電車にあったわよっ」窓辺の生首が教えてくれました。

 この電車には、色々な尻尾が付いているのです。

 ここには2本ありますね。

「一本拾って来ましたよ」「たまにはシマシマのも良いでしょう?」

 新しい尻尾をもらって、安心して寝入ったガンちゃんの、お尻からお手手が生えて来たようです。

 しばらくすると手が伸びた上に、よく見るとニンゲンの指も出て来ていました。

「自分のものではない尻尾を、付けてしまったせいではござらんか?」そういうコバンの尻尾も、シマシマになっちゃってますよー。鼻も口も消えていますしね。

 その頃、外にはたくさんのクラゲ雲が、押し寄せていたのでした。

2021-06-27

 ※次回「猫屋敷の怪・もっともっと」に続く⋯。

322.ただいま交信中!?

 梅雨入り前なのに夏日が続くスットコランドでは、タマシイの抜けた猫達があちこちに倒れています。

 日差しの強い日ママは、サンバイザーの上に、フード付きのクーリングタオルを被ります。端に付いているボタンを止めて腕を通せば、園芸作業中も滑り落ちません。一昨年炎天下で3時間撮影散歩をした時も、濡らせばまた冷たくなり快適でした。パーカーなどよりずっと涼しいので、このままバスにも乗って出掛けます。かなり怪しい人に見えますけどね。

 猫達は服装で調節できないので、ボンにゃんは“開き”になって転がっています。

 おデン様は何処か遠くと交信中のようです。側で写真を撮っても反応がありません。

 ダンゴ君の場合は一年中こんなですね。やっぱりタマシイ抜けています。

 コバンは冥界通信中ですが、それよりも割れたほっぺたが気になります。

 ゴンゴンは電車の中でぼんやりして⋯。

 しばらくすると白眼をむいて交信開始。

 そういえばガンちゃんはやらないわね。「毎日PCで宇宙メール交信していますよ」シワワン星までだと通信料が高いんじゃない? ママが請求書見て目を剥くわよー。

「でしたら月面基地まで行って通信して来ますから、フードを閉めて下さい」ソレ脱出ポッドじゃないってば〜。

 その頃ドンごろーは、場所を移してさらに遠くと交信中のようでした。

2021-06-12

321.にゃほん昔話・巣床村のゴンガン爺

 昔々その昔。巣床村の猫浦ちゅう所に、子育て上手な二匹の爺さんが住んでおってな。

 次々に里子を預かっては、面倒をみておった。

 ガン爺さんは賢くて、ゴン爺さんは悪賢く⋯。

 たとえばメシの時に、ガン爺さんは自分の皿を譲って仔猫に先に食わせてやり、ゴン爺さんは仔猫から横取りして自分が先に食っておった。

 ガン爺さんは仔猫をよくしつけて、色々なことを教えてやり⋯。

 ゴン爺さんは仔猫をよく焚き付けて、色々な悪事を教えてやり⋯。

 ゴン爺さんにそそのかされて、ゴミ漁りが見つかり大目玉を食らった者や、進入禁止の蚊帳の中に誘い込まれて絡まっておった者など、皆が悪い事をすればひどい目にあうと、身をもって学ばされていたのじゃった。

 ガン爺さんは、仔猫達が大きくなっても、相変わらず可愛がってやり⋯。

 ゴン爺さんは、仔猫達が大きくなったら、別の意味で可愛がってやっていた。

 そして二匹は今でも、巣床村で幸せに暮らしているそうな。
 めでたしめでたし。

2021-06-05