10.女王様のお成り

 スットコランド(スコットランドじゃないです)の由緒正しき王女おデン様です。
 気位が高く、パパを門番ママを乳母としか思っておられません。鳴き声もエイ!とかワン!?とか命令口調です。
 真夜中に眠ってるパパに大声でワンッッッ!「蚊帳の中に入れるのじゃ!」
 パパの上をのしのしと踏み越えて行くとママにエイッッッ!「耳の後ろをこにゃるのじゃ!」満足するとママの顔をじゃりじゃり舐めて立ち去ります。

 イタズラをして怒られると納得行かないというふうにスネて、自分のクマの所に走って行きしばらくは出て来ません。

 オス達は完全に見下されています。
 当初ドンごろーと親しく、スットコどうしの会話を楽しんでおられましたが、乱暴者と判ると威嚇して寄せ付けません。
 ゴンゴンは嫌ってませんがガンちゃんを見ると驚いてのけぞります。
 普段はだり〜んとしてぼんやりしたお方に見えますが、意外にも何かを見抜いている可能性が有ります。
  ガンちゃんは遊んであげようとしてるだけなのに、突然目の前に飛んで来るような奇矯な振る舞いがお気に召さないみたいです(無理もないけど)

 他のスコさん同様のんびりと着実に大きくなって、やがて女王様にふさわしいずっしりと立派な体格になられました。

 「わらわに侍女を付けるのじゃ!」
 「オスどもとは遊びとうない!」とおっしゃっておられます。

2016-11-01 18:59

28.女王様の憂鬱

「お化けじゃ!お化けじゃ!」お昼寝中のおデン様が、突然騒ぎ出します。パパが抱っこして「お化けなんか居ないよ。夢を見たんだよ」となだめます。

「うーん夢であったか。あの乳母(ママ)が悪いのじゃ。ホラー映画ばっかり見おって、夢に出て来るではないか!」
「だいたい、わらわがピンチだったと言うのに、ダンゴはどこに行っておるのじゃ?」

 ダンゴ君はパパが着替えるお洋服を、寝押ししに行っているようです。

「役に立たない奴め。スパイも衛兵も務まらぬなら、下足番に格下げするぞよ」

「えぇぇーっっ!」ダンゴ君ショックで固まりました。

「ふん! いい気味だべ。おめぇなんかオラに対抗するんは10年早えだぞ!」 
 ドンごろーが何か言っていますが、おデン様はおかんむりです。

「わらわに衛兵が必要なのは、お前のせいなのじゃっ!」(女王陛下のダンゴ君参照) 

2016-11-19 19:15 

39.本当はユルイおとぎ話

  白雪姫は何度でもだまされる女です。殺されかけても学びません。まただまされて死にかけます。一方の継母は美しいだけでなく、とっても出来る奴なんです。魔法が使えて行動力もあります。馬鹿のくせに美人と言うだけで、チヤホヤされる白雪が許せないのも納得出来ます。
 男性陣はそれでも世界一の美女なら良いと思うでしょうが、物語をよく読んでみて下さい。白雪はセールスにヨワいのです。勧められると何でも欲しくなります。王子の経済力がどの程度か分かりませんが、やがて国の財政も傾くでしょう。

 おとぎ話と違い実際の姫は賢くなければ務まりません。ましてや女王として国を治めるなら、誰よりも強くあらねばならないのです。

 我が家のおデン様ももちろんそうです。彼女は気が強いだけでなく大柄で、腕力にも自信のあるお方です。いざとなったら自慢の大根レッグスで、ドンごろーだってぶっ飛ばしてしまいます。かわゆいお顔に似合わない相当な破壊力をお持ちなのです。
 おデン様の側にはいつも臣下のダンゴ君が控えています。

 オス同士の小競り合いを見守ります。(冬でも蚊帳を吊っている理由は「宇宙人現る」で)

 今日もスットコランド(くどいようですがスコットランドじゃありません)の平和が保たれているのは、女王おデン様の優れた統治力の賜物です。多少オツムにユルイところがお有りだからと言って、彼女に逆らってはなりません!

2016-12-14 19:00 

89.女王様は上機嫌

 朝早くからおデン様はご機嫌上々で「えい! えーいっ!!」(中に入れるのじゃ!) と大声を出し、パパに蚊帳をめくらせます。のしのしパパを踏み越えたら、ママにコニョコニョしてもらい、いつになく丹念にご褒美の顔舐めをします。ジャリジャリ顔中を舐めまくられ、ママはすっかり目が覚めてしまいました。「ありがとーね。もー充分だからね」「遠慮しなくても良いのじゃ」「もうホントにいいからね」ママに引き剥がされたおデン様は、ちょっと不満そうに、またのしのしとパパを踏み越えて、蚊帳から出てお行きになりました。何度も踏まれてパパも眠れません。

 昼間はママの使っていた色鉛筆にまとわり付き、カジカジしたり芯を折ったりして元気に遊びます。困ってしまったママは削りくずを渡しました。

 しばらくの間それで一人楽しく遊んでいたおデン様は、ダンゴ君が見に来て羨ましそうにしていると、鼻と鼻を合わせて「お前にやろう」とおっしゃいます。

 ダンゴ君は天にも昇る心地です。誰にも取られないように、一日中片時も離さず削りくずを持ち歩き、おデン様にいただいたシアワセを噛み締めていました。

 お昼寝から目覚めると、いつもなら怖い夢を見たといって大泣きするおデン様ですが、今日は何か面白い夢だったようで「乳母! 乳母っ! あのなっ⋯」長いことママを追いかけて話し続けていました。 

 おデン様のご機嫌麗しい日には、オス達もみんな嬉しそうなのです。

2017-05-01 22:04 

131.女王様の言うとおり

 おデン様は高飛車な態度だから女王と呼ばれているのではありません。実際にスットコランドを支配しています。ボスはドンごろーじゃないのかって? 確かにドンは“ケンカでは”最も強いのです。

「ドンなどわらわの足下にも及ばぬわ!」

「所詮は家臣の一人に過ぎないからのっ」

 ママから新しいおもちゃを渡されたら、おデン様のお許しが出るまで手を出してはいけません。彼女が寝ている間にドンが他の子を追い払って独り占めしても、おデン様が登場すればちゃんと譲りますよ。(キャットニップで全員集合!参照)

 まずおデン様が匂いを嗅いだ後「よしっ!」の掛け声と共におもちゃ争奪戦が始まります。オス達はみんな彼女にヨワく逆らえないのです。

 おデン様を大好きなドンが無礼な行為を働くと、必ず手痛い反撃を喰らいます。侍女のボンにゃんが駆けつけましたが心配はいりません。しばらくすると怒ったおデン様のヘビー級ハードパンチを受けて、吹っ飛ばされていたりします。

「ダンゴッ!ちゃんと控えておるかっ?」「はいっ!ここにおります」
 ダンゴ君は相変わらず彼女の言いなりですね。

「乳母もわらわの言うことを聞いておれば良いのじゃ」「わらわに従っていればアホな間違いばかりしなくて済むぞよ」「⋯⋯⋯」

 名君おデン様の言う通りですね。

2017-12-15 22:17