97.ぼわわん!

 コバンを一言で表すと「もっさりしたヤツ」です。とにかくニブイというか空気読めないというか、何も分からない子なのです。家内安全・無病息災を願って連れて来た魔除けの黒猫なので、日々邪気払いやお清めに奔走し、現実社会の猫常識は通用しません。何か教えようとしてもキョトンとしているだけで、別世界しか見ていないのです。

 毎朝顔を洗う前に、洗面台で水を清めようとするコバンを、降ろさなければなりません。キッチンや風呂場さらにTVに映る滝なども、清めようと頑張ります。いちいちどけないと何も出来ません。しかも作業が終わって振り向くと、いつの間にか音も無く真後ろに座っていたコバンが「背中をお守りしておりました」などと言うので驚きます。ママがまたがないと自分でどく事はありません。普通の猫なら踏まれそうになれば慌てて逃げますが、コバンは動きません。

 トイレ掃除中にトイレの置いてあった所で寝てしまい、元に戻そうとしたらそのまま挟まれてしまったコバン。「こっ、これはどうしたことでござるか!?」
 彼が移動するのを期待できないので、持ち上げなければなりません。これが大変なのです。

「何が大変なのでござるか? 拙者はまだ子猫でござる」いいえアンタはもうとっくに大人ですっ! 巨大に育ちましたっ!!

 コバンの自己イメージ「そんなはずはござらん」

 実際のコバン(ゴンとガンが二人で入っている場所に一人でいっぱいになる大きさ)

 コバンの自己イメージ「拙者はもう“ぼわわんの術”を使っておりませんよ。大きくなるはずがありませぬ」

 “ぼわわんの術”というのは、少しずつとかいつの間にかではなく、ある日突然大きくなる不思議な成長術で、コバンが持っている魔力のひとつです。コバンはこれで、一生懸命コバンの大きさに追いつこうとするダンゴ君を、引き離して来ました。

 “ぼわわん”しなくても、毎日そんなに爆食いしてれば大きくなるんですよっ!

2017-05-29 18:05 

90.ボンにゃんはご機嫌ななめ

 休日も祝日も関係ない我が家では、この連休にパパの4泊の出張がありました。パパが居ないと、いつもパパにべったりなボンにゃんは、がっかりしてしまいます。

 自分だけ蚊帳の中に入れてもらって、パパの上で寝たりも出来ません。それでなくてもボンにゃんは、最近機嫌が悪いのです。

「だってガンちゃんもゴンゴンも、アタチを仔猫扱いするのよ」「アタチはもうとっくに大人なのっ!」「添い寝なんてしてくれなくていいのっ!」

「ゴンゴンなんかヒドイんだからっ! アタチじゃバレリーナになれないって言うの」「ボンみたいな頭でっかちで手足の短い踊り子がいるかよ! ですって」「でもアタチ運動神経はいいのよ。手足の長い子に負けてないわっ!!」

「アタチと同じ年の生まれなのに、お姉ちゃんはちゃんとレディ扱いされてるのよ。なんでなのよっ?」

「ちっちゃいからってバカにしないでっ!」

「アタチ玄関でととちゃまが帰ってくるの待ってるんだから」「ここに居れば真っ先にととちゃまが帰ったのわかるでしょ?」

 ずっと怒っていたボンにゃんですが、パパの足音を聞きつけたら機嫌が直ったみたいです。

 ほ〜ら笑顔になりましたよ!

2017-05-04 18:54 

29.猫トイレお困り対策室

 ゴンゴンはトイレの底が見えるまで徹底的に穴を掘り、ドンごろーは富士山のようにうずたかく砂を掛けまくります。この二匹がコンビで炭坑夫だったらエライことです。掘るのと埋めるのとで進みません。

 仔猫だったドンごろーが寝ているトイレは、すぐに使えなくなりました。オス達が立ったままトイレするようになったからです。トイレの中に立って外にしてるんでは、トイレの意味がありません!
 スプレー行動と思えるコレのせいで、ママの掃除が面倒になりました。フード付きトイレも、フードと本体の隙間から漏れ出るので大変です。相手が猫でも少しはしつけられますが、本能的な行動を抑えるのは困難です。人の方が出来る対処法を考えるしかありません。それでも不満タラタラのママは、オス達に向かってコンコンと説教したりしてました。
 不毛な説教で気が済んだら、次は理想のトイレ捜しです。

 ガンちゃんが半分外に出たまましてるのは、ゴンゴンを警戒してるんです。ゴンは人のトイレを邪魔しまくります。終わったらダッシュで逃げるんですよ。
 ママは継ぎ目の無い高い壁に囲まれたタイプを探し回りましたが、なかなか見付けられませんでした。仕方なくソフトバケツを買って、自分で入り口部分を切り抜き手作りしました。

 ケージの中にも入る大きさで良いのですが、一年くらいで破れてきます。

 これは後に探し出した物ですが、入り口が高く年寄り猫には使いづらいです。同じ理由で、上から出入りするタイプも元気な猫にしか使えません。スロープを設置したりすると、広い置き場所が必要になります。

 屋根を猫ベッドに出来るこのトイレは便利ですが、やはりそのまま使うと継ぎ目から漏れます。中にペットシーツを、クリップで止めて使ってるんです。夏場に蒸れるので、付いていた猫ドアも外してしまいました。

 結局、楽に使える猫トイレを見付けられなかったママは、「だからトイレじゃなくてお前達が悪いのよ!」と、今も怒りながら掃除しています。

2016-11-21 21:38 

23.ゴンゴンは人気者!

 今日も誰かが遊んでるおもちゃを奪い取って、隠していたゴンゴン。
 眠る時も自分は人の寝床に割り込みますが、自分が先に寝ている場合、他の猫が入れてもらおうとしても絶対に許しません。究極の自己中です。
 ゴハンを食べるのも、人を押しのけて良さそうな皿を取ります。
 ところがこのゴンゴンなんとメスにモテるんです!!
 いつも意地悪されていたギンさんでさえ、彼を嫌っていませんでした。

 若い娘猫達は、見た目が第一なんでしょうか。
 優しいガンちゃんはもてません。ドンごろーは避けられてます。
 カッコイイというだけで、おデン様まで親しくしているではありませんか(当然スットコ男子の強い反感を買っています!)
 ママは「そんな男と一緒になったら一生苦労するわよ」と言い聞かせてます。

 ゴンゴンは、我が家にやって来る猫好きさんにも人気があります。ゴージャスなヒョウ柄の毛並みで、誰にでもすり寄って媚びまくるからです。
 特に修理や工事関係のオジサンが好きで、楽しそうに道具箱を物色します。
 ケーブル配線の点検員さんは、ペロペロと手を舐められ続け、笑ってしまって仕事になりませんでした。別の人の足にかじり付いた事もあり、今では誰かが来ると即刻ケージ行きです。
 ただし、犬連れのお客様は別です。ママが捕まえるより先に物陰に隠れ、ドンごろーを前面に押し立てます!

 そんなゴンゴンにもひとつだけ良い所があります。小さい子を可愛がるんです(小さいうちだけです)
 仔猫の頃可愛がってもらった記憶があるから、みんなゴンゴンが好きなんですね。

2016-11-14 19:02 

15.ニンジャ潜入!

 “夜廻り猫の遠藤平蔵”じゃありません。ダンゴ君です。
 コバン矯正という重大な使命を帯びてスットコランドから(スコットランドじゃないんです)やって来ました。
 今回の任務にはコバンの激しい攻撃に耐え、忍耐強い取り込み工作を続ける意志が必要です。
 この顔を見れば納得です。一目見て選ばれました。

 仔猫とは思えない目付きの悪さにママはぞっこんです。
 ママはふてぶてしい猫が好きなのに、みんな大人になるとカワユクなってしまうのが不満なのです。

 ダンゴ君は期待どおりの強い子で、自分の倍もの大きさがあったコバンにひるむ事無く、無事任務遂行して見せました。

 しかし誤算もありました。
 耳が折れているスコさんは、他の猫に誤解されやすいです。
 猫は通常怒っている時に耳を倒します。しかもダンゴ君はこの顔です。ケンカを売っているとしか思えません。
 猫社会の常識が無いコバンは気にしませんでしたが、大人達はびっくりしてしまいました。これがダンゴ君の普通の顔だと認識するまで、あのドンごろーでさえ彼を避けていました(自分もスコなのに⋯)

 信じられないかも知れませんが、実はダンゴ君は甘えん坊です。
 あの顔で睨みながらママの胸によじ上って来ます!
 甘えたいのか文句が有るのか分かりません!!

2016-11-06 18:36