409.にゃほん昔話・王女と侍女の物語

 昔々その昔。巣床村の猫浦ちゅう所に、王女とその侍女が住んでおってな。毎日仲良く寄り添っておったそうな。

 王女はこの侍女を大変可愛がっていてな、仔猫の頃は毎晩一緒に寝ていたのじゃった。

 ところが侍女が成長すると⋯。

アタチは侍女なんかじゃないわっ!
侍女でなければ何だというのじゃ

「ネルダス侯 そちが育てた娘が、わらわに従わなくなってしまったぞ」「私は愛情込めてよく躾けたつもりですが、反抗期なのかも知れません」

「アタチは侍女じゃないのっ」「侍女じゃ」「侍女じゃないってば!」「わらわが侍女だと言ったら侍女じゃ!」王女が王位に着く頃には、二人の仲はすっかり悪くなってしまってな⋯。

 困り果てた女王は、家臣達になんとかするよう命じてみた。「拙者は性格を直すような呪術は会得しておらんのでござる」「僕にもムリですぅ。彼女凶暴なんだもん」

「ドンなら言うことを聞かせられるのではないか?」「オラ子猫は相手にしねぇだよ〜」

 結局役に立たない家臣達は、全員女王に叱られたのじゃった。

「切れ者のネルダス侯にも策がないとは」「わしゃワン・アンだがやー」

 そんな訳で女王がどうしたかというと⋯。

 すっかり諦めたのじゃな。

 そして二匹は今でも、巣床村で幸せに暮らしているそうな。
 めでたしめでた⋯「アタチ侍女じゃないからっ」「侍女なのじゃ」 「おねーちゃんミルクで顎の下ガビガビになってるわよっ」「お前こそ目ヤニがついておるわ」

2023-01-28

67.スットコランドストーリー第67話

〇42話から66話までのあらすじ
 空に浮かぶ不思議な光に導かれた勇者ドナルド・ゴーロウは、ネズ湖のほとりに集結したクロウヒル軍を発見。王の橋で待ち伏せして食い止めるが、敵兵の数は圧倒的だった。しかし敵軍の士気は低いとみたネルダス侯(そんな人出てた?)が女王を呼ぶ。女王デニース・オーデンのかわゆさに、クロウヒル兵は次々寝返り、隣国領主モーリス公(この人も知らないって)は撤退を余儀なくされた。(41話と登場人物紹介はこちら)

「お前たちっ! モーリスの元で戦いに明け暮れるのと、わらわの国で楽しく暮らすのと、どっちが良いのじゃ!!」「ハーーイ! デニース様と、楽しく暮らしますぅぅ!!」

「モーリスを追い払っても、あいつが気になるだよ」「あの異邦人ですね」

「おめの仕事はわかっているだべ」「それなんですけどー」「色仕掛けは密偵の基本技だべ」「え〜? そんなぁ」

「仲良くなっても なーんも聞き出せないじゃないかぁ」

 グオン・ゴウンに疑念を抱いているのは、侍女ボニーも同じだった。彼女は夜な夜な城を抜け出すグオンの後を、つけて行くのだった。

「アタチが正体を突き止めてやるっ!」
「どこに行くのよ⋯」
「えっ⋯! 見失った??」

「きゃああああっっ!!!」

 突如何者かに襲われたボニーはどうなるのかっ!?
 つづく⋯。 

2017-02-24 20:11 

41.スットコランドストーリー

〇前回までのあらすじ(前回なんてあった!?)
 怪力自慢の若者ドナルドは湖の怪物を倒し、王女デニースの近衛兵に取り立てられるが、女王の急死によって事態は急変する。領土を狙う隣国の刺客から逃れ、女王に即位したデニースは、ドンを親衛隊長に任命し、その配下に魔導士コバーンと密偵ダニエルを置く。二人は隣国の動向を探り、魔女の攻撃をかわして、ドンと共に女王を守る。しかしデニースは異国から来た謎の青年グオン・ゴウンに心惹かれ始め、侍女のボニーはこれを快く思っていなかった。さらに領内ではUFOが飛んでいたとか宇宙人を見たという噂が広がる。  

〇登場人物紹介

勇者ドナルド・ゴーロウ
女王デニース・オーデン
魔導士コバーン
密偵ダニエル
異邦人グオン・ゴウン
侍女ボニー
目撃された宇宙人

〇第41話(あと40話はどこなのよっ!!)
 今日のスットコランドは、おおむね平穏で何事も無く過ぎたのだった。
 つづく⋯

※「スットコランドストーリー」(?)を第1話からお読みになりたい方はこちらをどうぞ♡
「ぶんぶんキャッツがやって来る!」

2016-12-19 18:23