409.にゃほん昔話・王女と侍女の物語

 昔々その昔。巣床村の猫浦ちゅう所に、王女とその侍女が住んでおってな。毎日仲良く寄り添っておったそうな。

 王女はこの侍女を大変可愛がっていてな、仔猫の頃は毎晩一緒に寝ていたのじゃった。

 ところが侍女が成長すると⋯。

アタチは侍女なんかじゃないわっ!
侍女でなければ何だというのじゃ

「ネルダス侯 そちが育てた娘が、わらわに従わなくなってしまったぞ」「私は愛情込めてよく躾けたつもりですが、反抗期なのかも知れません」

「アタチは侍女じゃないのっ」「侍女じゃ」「侍女じゃないってば!」「わらわが侍女だと言ったら侍女じゃ!」王女が王位に着く頃には、二人の仲はすっかり悪くなってしまってな⋯。

 困り果てた女王は、家臣達になんとかするよう命じてみた。「拙者は性格を直すような呪術は会得しておらんのでござる」「僕にもムリですぅ。彼女凶暴なんだもん」

「ドンなら言うことを聞かせられるのではないか?」「オラ子猫は相手にしねぇだよ〜」

 結局役に立たない家臣達は、全員女王に叱られたのじゃった。

「切れ者のネルダス侯にも策がないとは」「わしゃワン・アンだがやー」

 そんな訳で女王がどうしたかというと⋯。

 すっかり諦めたのじゃな。

 そして二匹は今でも、巣床村で幸せに暮らしているそうな。
 めでたしめでた⋯「アタチ侍女じゃないからっ」「侍女なのじゃ」 「おねーちゃんミルクで顎の下ガビガビになってるわよっ」「お前こそ目ヤニがついておるわ」

2023-01-28

10.女王様のお成り

 スットコランド(スコットランドじゃないです)の由緒正しき王女おデン様です。
 気位が高く、パパを門番ママを乳母としか思っておられません。鳴き声もエイ!とかワン!?とか命令口調です。
 真夜中に眠ってるパパに大声でワンッッッ!「蚊帳の中に入れるのじゃ!」
 パパの上をのしのしと踏み越えて行くとママにエイッッッ!「耳の後ろをこにゃるのじゃ!」満足するとママの顔をじゃりじゃり舐めて立ち去ります。

 イタズラをして怒られると納得行かないというふうにスネて、自分のクマの所に走って行きしばらくは出て来ません。

 オス達は完全に見下されています。
 当初ドンごろーと親しく、スットコどうしの会話を楽しんでおられましたが、乱暴者と判ると威嚇して寄せ付けません。
 ゴンゴンは嫌ってませんがガンちゃんを見ると驚いてのけぞります。
 普段はだり〜んとしてぼんやりしたお方に見えますが、意外にも何かを見抜いている可能性が有ります。
  ガンちゃんは遊んであげようとしてるだけなのに、突然目の前に飛んで来るような奇矯な振る舞いがお気に召さないみたいです(無理もないけど)

 他のスコさん同様のんびりと着実に大きくなって、やがて女王様にふさわしいずっしりと立派な体格になられました。

 「わらわに侍女を付けるのじゃ!」
 「オスどもとは遊びとうない!」とおっしゃっておられます。

2016-11-01 18:59