310.極道のおんにゃ達

 猫のオス達は縄張り争いに明け暮れ、ほとんどヤクザな性格です。しかしメス達も決して負けてはおらず、場合によってはオス達がひるむ程の獰猛さを見せます。

 窓辺で密談しているのは大姉御“巣床院お伝”と女博徒“白玉小ぼん”「最近“ぼんくら義兄弟”が調子こいてない?」「放っておくのじゃ。どう転んでも所詮わらわ達には敵わぬ者共よ」「でも手を打たないとますますいい気になるわよっ」「ちょっと敵情視察しておくか⋯」

「見てっアイツら」「マムシの権三は相変わらず懲りないヤツじゃの」「鉄砲玉弾九郎もアレで勝てるつもりかしら」「最強はやはり鈍五郎親分か」「違うわ。仏の頑四郎よっ」

「鈍五郎であろう!」「頑四郎だってば!」「わらわに楯突くのか!?」「何よ威張っちゃってぇ!!」「オマエらやめろよー」「ふんっ!権三に免じて今日はこのくらいにしといてやるわ」「手加減してやったのはわらわの方じゃ!」オンナ同士の戦いにオトコは手を出さないキマリです。

 ご機嫌麗しい時のお伝様と機嫌を損ねた時の大姉御。普段の穏やかなお姿からは想像も出来ません。

 明るく輝くお伝様とどよ〜んと暗い大姉御。この落差がコワイのです。

 愛らしい表情の小ぼんと悪どさが滲み出た顔の女博徒。

 可愛い小ぼんを見ていると凶悪そうな女博徒が同じ猫とは思えませんね。

 このように大きなオスを相手に一歩も引かないのです。(黒い影は熊ではなくてヘタレの蛮八)

「見かけに騙されてナメてはいかん。小ぼんはなかなかの曲者じゃぞ」

「大姉御だってホントは凶暴なくせにっ」「わらわはいつも優雅なのじゃ」「嘘つきっ⋯」
 猫のおんにゃは気が弱くては務まらないのです。

2021-03-21