202.女王様に栄光を!

 今日は我らがスットコランド女王“デニース・オーデン様”の誕生日なのでございますが⋯。「わらわはもう歳を取りたくないのじゃ」「誕生日は中止じゃ」

「誕生日なくなっちゃうんですか!?」「国民はお祝いを楽しみにしていますよ」「パーチィしにゃいのけ?」「ご馳走は出ないのでござるか」

「代わりにすべての猫を祝う“猫の日”にしようと思うのじゃ」

「素晴らしいご提案です」「僕もお祝いできるんですね」「ご馳走が出るのでござるな」「いんじゃね〜」

「猫の日バンザーイ!」「バンザーイ!」

「でもぉ⋯」「猫の日ならずっと前からあるわよっ」

「なんじゃと!?」「わらわに断りもなく勝手に制定したのは誰じゃ!」

「そなたか?」「私ではありません」「旦那さんが怪しいですね」「オカンじゃねぇのか?」違いますっ!

「まぁ良いわ」「すべての猫がシアワセならそれで良いのじゃ」

「すべての猫に栄光をぉぉ!!」「オーーッ!!」

「女王様に栄光をぉぉぉ!!」

2019-02-22 19:11

186.女王様と従者たち

 おデン様はいつも のほほんとしていて、悩みがあるようには見えません。「何を言うか! わらわの苦労が分かっておらんの」「我が国はスットコランドと言うだけあって、我が家臣にもスットコドッコイしかおらぬのじゃぞ」

「コバンはわらわが休んでいるあいだ しっかり警戒しておったのか?」「ははっ! 拙者に抜かりはありませぬ」

「どのように抜かりなく警戒しておったのじゃ?」「結界を張り巡らせて誰も出入り出来ぬようにしたのでござる」「⋯それをやると わらわも出られぬのではないのか?」「えっ!オーデン様そこからお出になるのでござるか!?」「⋯⋯」

「ダンゴ 本日の状況報告をせよ」「はい!国内に特に変わったところはー、その、あのー、そこで飛んでいるものは何でしょうか?」

「お屋形様見て下さい!白いヒラヒラしたものが飛んでますよ」「ダウンベストから出た破片ではないのか?」

「わー!面白いだなぁ。あれは何ずら?」「ふわふわ浮かんでいるだよぉ」「だからダウンの破片だと⋯」「やれやれ⋯こやつらが わらわの親衛隊とはな」

「おお!門番帰ったのか?」「わらわは大変じゃったのだからな。苦しゅうないぞ。気がすむまで撫でるが良い」
 大変だったのは出張に行っていたパパの方なんですけどね〜。

2018-11-12 21:41 

142.ニャン・ニャン・ニャンじゃと!?

 今日は“猫の日”なのでしょうか? いいえ違いますっ! 2月22日は我らがスットコランド女王「デニース・オーデン様」のお誕生日なのでございます。スットコランド国民はひれ伏して崇めるが良いっ!! 国を挙げて盛大にお祝いいたしましょう。おデン様から直々にご挨拶をいただけます。

「すべてのスットコ国民はわらわの言うことを聞くのじゃ!」
「あとは好きにしてよろし」「へっ??」「お言葉はそれだけですかっ?」「何歳になったとか、これからの抱負とか⋯」「わらわの歳は国家機密じゃぞ。聞いてはならぬっ!」「ははぁっ。お許しを」

「わらわは朝から式典だのパーティだの、貢物を持って訪ねてくる客達の相手だので、すっかり疲れてしまったのじゃ」「この国はわらわがいる限り安泰である。だからもう終わりっ!」「へへ〜〜ぃ」

 おデン様はお休みになられました。おデン様がゆっくりと眠れる国なら、国民もまた安心して寝られるのです。めでたしめでたし。

2018-02-22 22:59 

131.女王様の言うとおり

 おデン様は高飛車な態度だから女王と呼ばれているのではありません。実際にスットコランドを支配しています。ボスはドンごろーじゃないのかって? 確かにドンは“ケンカでは”最も強いのです。

「ドンなどわらわの足下にも及ばぬわ!」

「所詮は家臣の一人に過ぎないからのっ」

 ママから新しいおもちゃを渡されたら、おデン様のお許しが出るまで手を出してはいけません。彼女が寝ている間にドンが他の子を追い払って独り占めしても、おデン様が登場すればちゃんと譲りますよ。(キャットニップで全員集合!参照)

 まずおデン様が匂いを嗅いだ後「よしっ!」の掛け声と共におもちゃ争奪戦が始まります。オス達はみんな彼女にヨワく逆らえないのです。

 おデン様を大好きなドンが無礼な行為を働くと、必ず手痛い反撃を喰らいます。侍女のボンにゃんが駆けつけましたが心配はいりません。しばらくすると怒ったおデン様のヘビー級ハードパンチを受けて、吹っ飛ばされていたりします。

「ダンゴッ!ちゃんと控えておるかっ?」「はいっ!ここにおります」
 ダンゴ君は相変わらず彼女の言いなりですね。

「乳母もわらわの言うことを聞いておれば良いのじゃ」「わらわに従っていればアホな間違いばかりしなくて済むぞよ」「⋯⋯⋯」

 名君おデン様の言う通りですね。

2017-12-15 22:17 

89.女王様は上機嫌

 朝早くからおデン様はご機嫌上々で「えい! えーいっ!!」(中に入れるのじゃ!) と大声を出し、パパに蚊帳をめくらせます。のしのしパパを踏み越えたら、ママにコニョコニョしてもらい、いつになく丹念にご褒美の顔舐めをします。ジャリジャリ顔中を舐めまくられ、ママはすっかり目が覚めてしまいました。「ありがとーね。もー充分だからね」「遠慮しなくても良いのじゃ」「もうホントにいいからね」ママに引き剥がされたおデン様は、ちょっと不満そうに、またのしのしとパパを踏み越えて、蚊帳から出てお行きになりました。何度も踏まれてパパも眠れません。

 昼間はママの使っていた色鉛筆にまとわり付き、カジカジしたり芯を折ったりして元気に遊びます。困ってしまったママは削りくずを渡しました。

 しばらくの間それで一人楽しく遊んでいたおデン様は、ダンゴ君が見に来て羨ましそうにしていると、鼻と鼻を合わせて「お前にやろう」とおっしゃいます。

 ダンゴ君は天にも昇る心地です。誰にも取られないように、一日中片時も離さず削りくずを持ち歩き、おデン様にいただいたシアワセを噛み締めていました。

 お昼寝から目覚めると、いつもなら怖い夢を見たといって大泣きするおデン様ですが、今日は何か面白い夢だったようで「乳母! 乳母っ! あのなっ⋯」長いことママを追いかけて話し続けていました。 

 おデン様のご機嫌麗しい日には、オス達もみんな嬉しそうなのです。

2017-05-01 22:04