12.漫画編集者の妻

 ママはゴンゴンより凶悪です。
 性格の悪さなら負けない(!?)と自慢します。
 ゴンゴンはママを恐れているので、ママが怒ると怒られているのが誰でも、速攻で謝りに行きます(98%くらいの確率でゴンだけど)
「おひゃーん」(オカン)と鳴いて、だっこしてもらえるまで頭突きします。
 パパとママが些細なケンカを始めた場合も、二人の間に入って謝り続けます。ママの機嫌が悪かったら、とりあえず謝ると刷り込まれているんです。

  ギンさんとガンちゃんの寝ている所に無理矢理割り込むゴンゴン。
「ごめーんオカン。ガンがオレと寝たがるんだよ」(寝たがってません)

 ガンちゃんとドンごろーの寝ている所に割り込むゴンゴン。
「だってガンがオレを呼ぶんだよー」(呼んでません)

 ドンごろーにいやらしい行為をしかけるゴンゴン。
「ごめーんオカン。ドンごろーがいいって言うからさ」(言ってません)

 ママは物を壊しても(そんなには)怒りませんが、他の猫への悪事は許しません。この家で悪い事をしてもいいのはママだけです。

 パパは温厚な性格なので、ママとうまく暮らせるのはパパの人徳のおかげだと思いますが、ママは自分がエライと言います。

 パパがいつも忙しかったので、家具を組み立てたり、テレビやDVDの配線をしたり、力仕事も一人でさっさとやります。
 パソコンが苦手でやり方も判らないのに、いきなりブログも始めました。
 今日は写真が取り込めなくなって焦っていたし、そもそも文字を打ち込むのにとんでもなく時間がかかってます(先に勉強してからやろうと思わないんでしょうか)
「あ、しまった」とか「なんじゃこりゃ」とか頭を掻きむしったり、まとわりつくゴンゴンを放り出したりしながら、何とか頑張ってます。

「オレだって色々大変なんよー」

2016-11-03 20:09 

20.恐怖の歯科医院

 その昔ある大学病院の歯科は、いつもとはまったく違う騒然とした雰囲気に包まれていました。患者として来ていたママは、慌ただしく器具やカルテを整えたり、助教授の指示を仰いだりするインターンの先生達を見て、どうしたのかと思いました。
 程なくして「財前教授の回診です!」(古いんだってば) のような声が掛かり、広い部屋の中は嘘のように静まり返りました。
 ママは歯科用椅子に横になっているし隣のブースとはパネルで仕切られているので、向こうの様子は見えません。だんだん近づいて来る大勢の足音だけが響いて来ます。やがて頭の上で「この患者さんは?」などと誰かが言って、説明をするママの担当の先生の顔が、極度の緊張に引きつります。そして次の瞬間、ママも引きつってしまいます。
「ちょっと見せて下さいね〜」と突然目の前に現れた教授は、キューピーさんをジジィにしたみたいなおっさん!?
 真面目な医学用語の会話が続く中、ママは涙目になりながら笑いをこらえました。何とかやり過ごしましたが、ファンキーな顔の方が歯医者さんなのはどうなんでしょうか? (今はどの医院でも顔にタオルなどを掛けてくれますよね)
 ちなみに本文と写真には何のカンケイもありません。

 手の大きい人も困ります。ママが以前に診てもらった先生はすごく大柄。
 奥歯のチェックに手を突っ込むとママは「ほげーーっ!!」さらに奥を診るので白目をむいて「うえぇぇぇっっ!」二度と行きませんでした。

 いずれにしても歯医者さんは皆ヒアリングの天才です。
「大丈夫ですかー?」「はいほふふら はりはへん」「痛いですか?」「はがが かふいんへふ」「どうぞー。鼻かいて下さい」そもそも口に器具を突っ込まれている人に質問をするのは何故なんでしょう。

 猫も歯を磨いた方が良いそうですが、ゴンゴン達がかじったり舐めたりしてるのは、実は掃除用のブラシなんです。これでも少しは効果有るんですかねー?

2016-11-11 20:00 

21.謎の円盤 U M O

 この街に引っ越して来てからママは、度々不思議な物体を見ました。子供の頃から何度かUFOは目撃していますが、猫浦では首を傾げたくなるような妙な物が出没するのです。(本文と写真はモチロンまったく関係ないです)

 うちのキッチンの窓からは100メートル程先の交差点が見えますが、夜は人影がやっと判別出来る程度の暗さです。ある真夜中にママがコップを洗っていると、ここをレッカー車に引かれたアダムスキー型円盤が通りました(!?)

 寝ぼけていた可能性はありません。漫画編集者の妻は完全な夜型です。長年ポストから朝刊を取って帰宅するような夫を待って暮らして来たので、夜は大丈夫です(午前中はダメです)

 別の日の深夜には、タクシーの屋根に乗っかったミニUFOが通過しました(???)

 何故1秒かそこらで通り過ぎてしまう物体を目撃出来るかと言うと、それらが通る時もの凄く明るくなるんです。少し前から交差点の片側がどんどん明るくなり始め、思わず何が通るんだろうと注目してしまいます。

 交差点のさらに先には運河が見えますが、水面を船のように航行するUFOを見た事もあります。どれも工事現場で点灯しているライトを、数十個も並べたような明るさで通り過ぎます。

 この街に何か原因があるのか、それとも家に居るあの猫が問題なのか⋯(ママの頭の中にも問題がありそうです)

 リビングの窓の外からはヒュンヒュンヒュンヒュンというような金属音が聞こえる事もあります。すぐにカーテンを開けて確かめようとしても、静かに寝静まった街が広がるだけです。

 パパに報告すると「あ良かったね。金曜日は遅くなるよ」とか落ち着いた反応が返って来ます。パパは当然ママに慣れています。
 それでもママは絶対に何かがおかしいと、今日も言い続けているのです。

2016-11-12 18:13 

24.猫ポチ対策室

 ママはイギリス製トースターの機能が理解出来ません。回転式ツマミに1から3まで数字が書いてあり、2を過ぎた所に三角マークがあります。最初ママはここが「標準点」だと思ったのです。実は「限界点」でした。ここから先は、家庭で手軽に炭を焼きたい人の領域です。何のために3半くらいまでツマミがあるんでしょう? イギリス人の意図が判りません。

 ハンディ掃除機の説明書には、充電が切れるとランプが点滅すると書いてあります。ママがもうすぐ切れるという合図かと思ったら、唐突に切れてから点滅する物でした。説明書は正確なのですが、イギリス人の意図が判りません。

  キッチンでは換気扇も不思議です。ロック機能が付いていますが、そもそも子供には手の届かない高さです。まさか猫対策じゃないですよね?

 ロック機能は洗濯機にも付いていますが、ドアを開けられないようにするもので、他のボタンは押し放題です。洗濯機の上で寝たい猫達によって、何度も洗濯が中断され、ママは怒り心頭です(それでも乗ってる二人⬇︎)

 猫ポチ問題にママはずっと悩まされていて、電気ポットを諦めました。ロックボタンを押してから給水ボタンを押さないとお湯が出ないのに、ちゃんとこの順番で押してしまうんです。何度も熱湯を床にまかれました(危ないっ!) 今は昔ながらの魔法瓶を使ってます(エコですね)

 キッチンと洗面所の水栓も替えました。押すと水が出て持ち上げると止まるタイブだったからです。あっちもこっちも水が流しっぱなしになります。風呂場だけはシャワーとの混合栓なので、風呂イスでガードするしかありません。

 ママがもっとも悲しかった猫ポチは湯船の排水栓です。お風呂をリフォームしたら、ゴム栓からボタンタイプになりました。溜まったお湯を抜かれてしまいます。いろいろ試したあげく、佃煮のフタでガードしました。リゾート気分に浸りたいと思ってリフォームしたのに、佃煮のフタですよっ!!

 ガンちゃんが乗っているキーボードカバーは「ねこぽち」という商品名です。これを買う以前は「ぬぬぬぬぬぬリリリッ」(緊急事態かっ?)とか「JKJKぼぼぼぼ」(なんかいやらしい)とか打ち込まれてました。ちゃんと途中で変換してるのが驚き。宇宙メールを出そうとしてたのかも知れません。

 皆さんは猫ポチで困った経験ありませんか?

2016-11-15 18:12

30.ドリームキャッツァー

 かつて韓流スターの中で誰が好きと聞かれた時、ママが「ソン・ガンホ」と答えると、ビミョーな沈黙が流れました。最近ママは、彼が主演の映画の夢を見ました。

 海辺の街でドーンドーンと音がして、海面に青緑の蛍光色の花火が上がります。人々が集まって来て見ていると、岬に真っ黒な灯台のような物が出現します。その中からエイリアンがぞろぞろ出て来るのです。全員同じ人間の姿です。18世紀の軍隊か、レトロなグループサウンズのような、色あせた服を着ています。ガンホさんは女性を連れてショッピングセンターに逃げ込みますが、エイリアンがどんどん入って来て、人が次々捕まって行きます。裏口から脱出したものの、通りはすでにエイリアンでいっぱいです。門柱の陰に二人が身を潜めていると、すぐ横の戸が開いてエイリアンが現れます! 

 良い所で目が覚めたママは、続きが見たくて仕方ありません。
 しかし何と次の夜、夢の中で映画のチケットを持っていました。賑やかな商店街を歩き、映画館を見付けると、ポスターが張ってあります。ガンホさんの後ろには怪獣もいるではありませんか。「凄いっ! 怪獣も出るんだ!!」喜んで中に入ろうとしたら目が覚めました。
 ママはまだ何とかして続きを見る気です。

 猫には超能力が有ります。その一つが人間の夢の中に侵入すると言うものです。

 ある日ママは綺麗な石畳の街を旅していました。ふと見るとスーツケースの上にゴンゴンが乗っています。ゴンゴンは飛び降りて何処かへ行こうとします。
「こらこらこらっ! 人の夢の中で勝手にどっか行くんじゃないっ!」ママはゴンを捕まえなければと思い、焦って目が覚めました。

 もちろん夢の中で猫を連れ帰らなくても、ちゃんと戻って来ます。猫はあなたの夢を好きなように見て歩くと同時に、守ってくれています。悪夢に悩まされている方は、猫と一緒に寝てみて下さい。猫が夢に巣食う魔を追い払うので、しだいに怖い夢を見なくなります。

 また夢の中で会う知らない猫「夢ノラ」は吉兆です。毛色の種類によって色々な意味があります。今度夢を見たら、夢の中の何処かに猫が居ないか探してみて下さい。もし見付けられたら良い事があるんですよ。

2016-11-23 19:34