22.天使と悪魔

 ゴンゴンは他の猫を高い所から突き落として喜びます。熟睡してる子に噛み付いて寝床から追い出してみたり、ガンちゃんをトイレに閉じ込めた事もあります。
 まず自分がトイレに入って中から呼び、ガンが入ったら外に出て閉めます。
 ガンちゃんも外からハンドルを引っ張って開けられますが、中からだと押さなければなりません。今は理解していますが、この時は出られなくて大声で鳴いていました。ドンごろーが聞きつけてやって来たものの、どうしたらいいか判らずドアの前に座ってしまいます。助ける気はあったらしいけど、これではガンちゃんが押しても開きません。アホです。
 ゴンゴンはもちろん知らん顔です。

 ガンちゃんは誰かが押し入れなどに閉じ込められると、必ずママに教えに来てくれます。
 ある日ママが洗濯機を開けて洗濯物を入れていると、ゴンゴンが中に入ってしまいました。ガンちゃんはそれを見ながら通り過ぎます。
 ママはゴンゴンを出して洗濯を始めましたが、ガンちゃんが叫びながら急いで戻って来ました。慌てて洗濯機のドアを激しく引っ掻いたりかじったり。
 ママがゴンゴンの居る所に連れて行ってやると、やっと落ち着きを取り戻しました。

 ガンちゃんはママのくれたおもちゃで、何時間でも機嫌良く遊びます。
 ゴンゴンはおもちゃにはすぐ飽き、家中の家具などからネジや部品をかじり取ります。これをぶっ飛ばして遊びますが、ママがゴンから回収したネジの中には、出所の判らない物が沢山あります。ある日突然何かが崩壊するんじゃないでしょうか。

 正反対の性格なのに何故か仲の良い二人。ゴンゴンがガンちゃんを好きなのは判るけど、ガンちゃんはなんで???
 オス同士の友情は、まっとうな判断力のあるメスには謎です。
 コバンとダンゴの場合も、まったく空気の読めないコバンと、気配りのダンゴ君の取り合わせ。もっさりとして静かなコバンと、いつもせわしなく騒がしいダンゴ君(こっちはお互いを補い合ってる気もするけど)
 小さい頃に知り合ったというだけで、生涯の友情が築かれるんですねー。
 きっと相手は誰でも良いんですねー。
 どうでもいいんですねー(しつこい)

2016-11-13 19:16 

18.ダンゴ君大作戦

「おはようフェルプス君!」(古くて皆知らない)などスパイに指令が届いても、テープは聞き終わったとたん燃えてしまいます(そもそもテープが届くまでに誰かに聞かれる心配は無いんでしょうか?) 電話は聞き返す間も無く切られてしまいます。「えっ!?住所をもういっぺんお願いしますっ」などと言ってはいけません。

 女王様の009 (9番目の猫だから)に任命されたダンゴ君の悩みは、記憶力にありました。

 食事をしてるふりをしながら指令を受けた彼は、これを覚えようと必死で暗唱します。
「わらわの寝床にドンを近づけてはならぬ。お前がおもちゃでドンの気を引いて遠ざけておくのじゃ」
 ドンごろーに聞こえてしまいそうですが、ドンはアホなので今の所大丈夫みたいです。

 ダンゴ君は表向きドンごろー配下の夜廻り組として、コバンと共に寝静まった縄張りを異常無いか見廻ります。その間におデン様からの指令を忘れてしまってはいけません。ダンゴ君が夜中にずっと一人でブツブツ言い続けているのはこの為です(この子本当にブツブツ言いながら歩くんです)
「おデン様の寝床にドンを近づけてはならぬ。僕がおもちゃで気を引いて遠ざけておくんだーっと」
「おデン様の寝床にドンを近づけて⋯えーっと僕がおもちゃで気が遠くに〜⋯??」
 たまに「わああああっっ!!!」などと凄い叫び声が聞こえて来ますが、ダンゴ君が指令を忘れてしまったんです。

 おデン様はお怒りですが、パパとママもうるさくて目が覚めます。
 朝になってもブツブツ言ってる場合は一晩覚えていられたようですが、お昼寝するとやっぱり忘れてしまいます。
 生まれつきのニンジャ(青猫)ではありますが、はたしてこんなおマヌケなダンゴ君にスパイが務まるんでしょうか?

2016-11-09 19:39 

17.女王陛下のダンゴ君

 おデン様と結婚するのがダンゴ君の夢です。ママに耳折れ同士は一緒になれないと聞いたので、一所懸命耳伸ばしもしました(成長に連れて立ち上がっただけでは?)
 でも体が大きくなったら、ボス猫ドンごろーが容赦しません。
 今までボスと言っても、自分より年上のゴンゴンとガンちゃんに小馬鹿にされていたドンは、年下のコバンとダンゴが来て大喜び。何かと威張り散らします。

 ママの入っているお風呂から水音がした時、ドンは後ろに控えていたダンゴ君に、顎を振って合図しました。「おめぇ見て来い!」
 この湖(お風呂)からは時々水しぶきが飛んで来ます(もちろんママがやっている)
 何かが居るに違いありません(ママが居る)
 もしかしたらネッシーかも(そんな訳ないでしょ)
 スットコランド(スコットランドじゃないのよ)の伝説を知っているダンゴ君は、怖くて見に行けません。痺れを切らしたドンごろーに背中を咬まれました。
「オラの命令が聞けねーだか!!」(ドンだって怖くて自分で見に行けないくせに)

 ドンごろーはおデン様に言い寄っては邪険にされています。
 おデンはドンが鬱陶しくてたまりません。
 パパとママに言いつけられたミッションが終了し、ドンの子分に成り下がっているダンゴ君に、憧れのおデン様がそっと囁きました。
「わらわのスパイになるのじゃ」

 ぼんやりしたお方にしか見えないおデン様ですが、実は頭がよろしいと言う噂もあります。彼女がダンゴに出した指令は恐ろしいものでした(ダンゴ君にとっては)

 やがて徐々にその陰謀が姿を現します。

2016-11-08 19:02 

14.陰陽師召喚!

 黒猫は魔除け。無病息災に効果ありと言われます。小さいのにどっしりとした風格。何事にも動じない面構え。これは将来立派な陰陽師に育つと、パパに見込まれてやって来たコバンです。
 しかしこれがまた問題児でした。
 どうしてパパが気に入るとみんなヒドイ奴なんでしょう。ゴンゴンだってママだって⋯(!?) 

 この子は(まだ修行中なので)魔物と家族の区別がつきません。
 ゴンゴンに「おのれ悪魔め!!悪霊退散じゃー!!!」
 ガンちゃんに「おのれエイリアン!!地球侵略は許さーん!!!」
 ドンごろーに「おのれ狼藉者!!成敗してやるー!!!」
 おデン様に「大化け猫めー!!悪霊退散!!!」
 ボンにゃんに「短足お化けめー!!悪霊退散!!!」
 誰彼かまわずひっかく噛み付く飛びかかる。悪霊退治に邁進します。
 パパとママにまで邪気払いしようとする始末。
 大人猫達は困ってしまって逃げ回り、やがて誰も寄り付かなくなりました

 寂しそうにクマに寄り添うコバンを見て、ママは考えました。
 親猫から早くに引き離されたり、兄弟が一匹も居なかったりした仔猫は、社会性が育ちません。誰にも教わっていないので、構ってもらうにはどうしたらいいかが判らないんです。
 (多分)遊んで欲しいだけだったのに、一人ぼっちになってしまいました。

 こんな時こそ、例の「おトモダチ作戦」です! (凶暴仔猫の対処法)
 前回は大失敗したおトモダチ作戦ですが、今回は大丈夫。のはずです。

2016-11-05 18:28

13.漫画編集者の密かな楽しみ

 サッカー解説の木村和司さんが放送中に何回「うーん」と言うか数えるのが、パパとママの観戦法。以前は試合の間中うなっていた(!?)のに、最近はけっこう喋るのでつまらんそうです。
 国際試合の日は各国選手の国歌斉唱が見逃せません。耳が腐るような音痴ばかりです。ひょっとしてサッカーをやると音痴になるような相関関係があるんでしょうか?
 NFLでは各チームの選手紹介画面に注目。指名手配写真を並べたのかと思ってしまいそうです(引退したマショーン・リンチとか) パパとママは誰が一番アブなそうか吟味します。
 NBAなら人類を超越した存在を探します(レブロン・ジェームスとか) ママはビッグフット調査隊は探す場所を間違っていると言います。ドーピング検査でなくDNA検査が必要な気がするそうです。

 二人でスポーツ観戦出来るようになったのは、パパが定年退職してからです。今でも仕事は続けていますが、以前のような寝に帰って来るだけという状態は無くなりました。
 家でゆっくりテレビを見られるようになったパパが、一番気にしているのはNHKの天気予報の斉田さんです。メガネを掛けていたりいなかったりします。
 ママが何かのサインかもと言うと、パパは家で見てる奥さんに今夜ごはんを食べるかどうか合図をしてるんではと言います。どうしても気になってしょうがないんだそうです。誰か知ってる人が居たら理由を教えて下さい。

 猫達と過ごす時間も出来たパパは、よくドンごろーを捕まえます。ドンはパパの前を通る時だけ急に走るようになりました。

「 おっとう!! 顔を引っぱるのはやめてぐでーっ」

 今まで猫が欲しいと言うのはママでしたが、パパも退職祝いに仔猫が欲しいと言い出しました。前から黒猫を飼いたかったんです。
 そしてある日ボンベイという種類の仔猫を見付けます。

2016-11-04 19:10