348.にゃほん昔話・巣床村のドン親分

 昔々その昔。巣床村の猫浦ちゅう所に、鈍五郎と名乗る若者がやって来てな。いつかこの国の王になろうと、大志を抱いて暮らしておった。

 けんど若者の前には、悪賢く意地の悪い強敵が立ちはだかってな。

 二匹は毎日数えきれないほどの争いを繰り広げただよ。

 そんでも鈍五郎は、戦いに勝ち続けて、ついに悪者を屈服させただなぁ。

 巣床村に平和が訪れたように見えただよ。

 ところがある日、巣床院お伝と名乗る別の敵が現れてな。王座を奪うと宣言したのじゃ。

 彼女をひと目見た鈍五郎親分は⋯。

「子分になることにしたんだよー」

「だって お伝かわゆいんだもん♡」

 こうして手下を手に入れたお伝は、女王としてこの国を治めるようになってな。

 二匹は今でも、巣床村で幸せに暮らしているそうな。
 めでたしめでたし。

2021-12-03

347.おうちの中で狩りするにゃ

 前回、猫は思いもよらないものをオモチャにするとお知らせしました。今回は家の中で、あらゆるものを狩りのターゲットにする猫達をご紹介しましょう。

 おデン様は洗濯バサミがお好きです。ママがうっかり取り落とすと、さっさとくわえてお逃げになります。

 ボンにゃんが叩こうとしているのは、ママのスマホに付いているストラップです。

 ゴンゴンは、コタツに隠れている動物を仕留めるつもりですね。

 ダンゴ君も同じイキモノを押さえ込んだようです。

 おデン様は自ら、家臣達に狩りの技術を仕込んで、鍛えて来ました。

 ダンゴは毎日真面目に練習を欠かさず⋯ぅ⋯⋯ソレ叩いちゃダメって言われなかった?

 窓辺で猫達が注目しているのは⋯。

 毎日のようにやって来る上級の獲物です。まだ誰も狩りに成功していません。

 ゴンゴンが狙っているのは別の鳥ですよ。かなり真剣です。獲れるでしょうか。

 そしてドンごろーは、誰よりも良い鳥類を狩りしていました。チキンナゲットという種類のトリです。

 転がして歩いて畳を汚すので、パパがトレイに置いてほぐしてくれました。ドンは夢中で食べています。

「あーー食った食った」「満腹ずら〜」結局狩りが一番上手なのは、ドンごろーでしたね!?

2021-11-26

346.マッサージ機で遊ぶのにゃ

 時々猫は、思いもよらないものをオモチャにしてしまいます。

「これは何でござるか?」ママのフットマッサージャーよ。「いちおう清めておいた方が良いのでござろうか」清めなくていーから。「オレがチェックしてやるよー」

「ソレはなんずら?」「生き物でねぇだか!?」生きてませんよ。「オレが仕留めてやるからよぉ」仕留めなくていーからね。

「ソレなによっ??」「オレの獲物さっ」獲物じゃありませんっっ!!

 こちらはヘッドマッサージャー。ママがちょっと置いたら、すぐに猫達が集まって来ました。「タコですかね」「ネズミずら?」「でっけぇ虫かもな」

「危ないヤツですかね」「魔物の気配はないでござるよ」「こんなの見た事ねぇずら〜」

「帝国軍の偵察ロボットかもしれませんね」違います。「敵が送り込んできたのけ?」違いますって。「時限爆弾が仕込んであるとかさぁ⋯」そんな訳ないでしょ。

「コレなによっ!?」「ダンゴちょっと触ってみるだよ」「えっ? 僕がですかぁ?」

「はいっ!大丈夫ですぅ」(触ってませんね)
 でもしばらくすると⋯。

 ペチペチして遊んでいたので、ママが取り上げました。「叩いちゃいけません!」

「ほら、こうやってマッサージに使うのよ」「やめんかっ!わしゃ機械は嫌いだがや!!」ワン・アンは気に入らないようです。

 危険がないと分かったら、ゴンゴンは大人しくグリグリされています。
 そしておデン様は⋯。 

「なかなか気持ち良いではないか」お気に召したご様子です。

2021-11-19

345.ブラッシングは大事だにゃ

 しっかりご飯を食べた後は、被毛のお手入れも大事です。特におデン様のような長毛種は、毎日欠かさずしっかりとかしましょう。

 ベンガルのような短毛は、あまりお手入れの必要はないのに、ゴンはブラッシングが好きなのです。やってもらいたくて騒ぐので、ママは頭に逆毛を立てて遊んでいますよ。

 トンキニーズも細くて短い毛です。ガンちゃんは大人しくブラッシングさせてくれます。

 待ちくたびれたドンごろーがブラシをかじってアピールしていますね。「コラコラ 噛んじゃダメでしょ!」

 ダンゴ君は落ち着きがなくて、なかなかブラシできない子なのです。「待ちなさい〜」

「あら?ガンちゃんはさっきやらなかったかな??」「オイラはまだだっちゃ」

 コバンもブラッシングが好きではありません。「拙者は毎朝“みそぎ”をしておりますから 綺麗なのでござるよ〜」

 ボンにゃんはブラシでなくても、ママに触られるのが嫌いなのです。「やめてよっ!!」

「あれ?ガンちゃんはもう済んでたよねぇ??」「わしは まだだがや〜」「アンタ ガンちゃんじゃないでしょっ!?」

「ぜーったいガンちゃんじゃないからっ!!」「コイツ怒らせたらヤバくね?時空が歪んだぜ」「わしもブラッシングしてもらうだがや!」「ぼ⋯僕 何も見てませんからね」

2021-11-12

344.今日もご飯が美味しいにゃ

 朝ごはんが待ちきれなくて集まってくる猫達。「まだかよ〜」「まだかえ?」「まだですか⋯」「まだなのけ」

 “ぼんくらブラザース”は毎回良さそうな場所を巡って小競り合いを繰り返します。(注・どの皿でも中身はまったく同じです) 悪辣なゴンゴンや他猫を押しのけるドンごろーに横取りされないよう、ママがガンちゃんの皿を離して置きました。

 おデン様は、みんなが食べ終わった後も、マイペースでミルク皿を舐めておられます。

 ボンにゃんはお水を飲みに行きました。「ゴンゴンはアタチの後よっ」「ちぇっ」

 ダンゴ君は食後のゴロンゴロン運動。「あーー。満腹満腹」

 コバンは、ご飯を食べたばかりなのにオヤツが欲しいらしく、ハロウィンのトリート袋を下げたまま考えています。「どこの御宅に行けば菓子をくれるでござるかな」

 ガンちゃんは眠たくなってしまったようです。「私はちょっと昼寝します」

 その頃ドンごろーは、ママが食べ散らかしたポテトを盗もうとしていました。「おっとっと!」アンタも食べ過ぎよ〜。「コレは別腹ずら〜」

 そしてゴンゴンは、居眠りしているパパの上でナメナメしまくっています。
 嬉しそうな顔をしていますね。パパの手も美味しいのでしょうか。

2021-11-05