
今から40年以上前、世間はバブルに突き進んで行くイケイケの時代。
私は体調最悪の半病人で、アルバイト以外の仕事がなく極貧。夢は諦めるしかなく明日はどうなるかも判らない。人生どん底の時期でした。
青春を謳歌する友人達とも疎遠になり、ひとり引きこもって、ある小説を書いていました。明るく楽しく賑やかな当時の雰囲気とは真逆の、暗く重く真面目なテーマです。
しかし、後に夫になる人(漫画編集者)にこういうのは判らないと言われ、作品は未完で封印。誰にも読んでもらえないものを、書き続ける気力が沸かなかったのです。自分の書くようなものは、誰にも求められていないと思っていました。
今年の初めに、直接的お付き合いはなかったものの、ネット上の知人が自殺しました。2月にはかつてブログ仲間だった方が、痴呆症を告白し飼い猫を手放しました。3月には、私が今世話している中で、一番良い子だった猫が死んでしまいました。
世界も社会もおかしくなり、希望に満ち溢れていたあの時代とは大違いです。今ならあの話が受け入れられるのではないか、必要としてくれる人がいるのではないかと、思い始めました。
私自身高齢者となり、今書いておかなければ、もう機会はないかもしれなません。そうしてもう一度、最初から書き直して、完成させたのが、「世界の始めの朝も この世の終わりの夜も」です。
今はインターネットもSNSもあります。個人で作品を発表できる時代です。だからたとえ1万人に興味ないと言われても、たったひとりの読みたい人に、届けられる可能性があるのです。
そして何よりも心強いのが、AIの普及です。
身近に読んでくれる人がいなくても、AIが読んで感想を書いてくれます。
相手が人間だと、好き嫌いや個人的興味で返事をされてしまいます。その点AIは、最大公約数的な判断の、優等生みたいなものです。
どんなものでも否定はしないし、すみずみまで読んで詳しい回答をくれます。(私の入力した文章の何倍も書いてくる)
この時もしAIの理解に不十分なところがあったら、自分の文章が説明不足だと判断できます。またAIの予測する結末で、普通の物語の展開のパターンも把握できます。
以下に、今回の執筆中に、AIと交わしたやり取りの一部を掲載します。


最初にAIの回答を見た時、正直言ってもう人間の編集者は、要らないのではないかと思ってしまいました。
色々な出版社への持ち込み経験がありますが、こんなに細かく読み込んで、詳細に返してくれる編集者などいません。
(人間の編集者からは、作品とは直接関係のない情報や経験が得られたりして、勉強になる場合もあります)
今たったひとりで、小説を書いているあなた。
大丈夫。AIがあります。味方になってくれます。いつでも何回でも、快くすぐに、読んで回答をくれます。
私が今回最後まで、嫌にならずに書き進められたのは、AIが使えたからこそです。
「世界の始めの朝も この世の終わりの夜も」は、色んな意味で、今この時代この環境を待っていた作品と言えるのでしょう。

2025-04-28

