63.ホラーマニアは嫌われる

 ママは子供の時から筋金入りのホラーマニアです。当時漫画では楳図かずおさんの「へび女」が、全国の小学生を恐怖のどん底に突き落としており、トラウマになりそうな怖さにママもハマっていました。中学生になるとクリストファー・リーのドラキュラシリーズを見る為、名画座通いを始めます。制服のまま映画館に入り浸っていたので、見つかると補導されますが、その心配よりホラー見たさが優っていました。(捕まった経験はありません)

 ビデオの時代になった頃の家は山中(?)にあり、滅多にレンタルショップに行けませんでした。今の家は近所にツタヤもあるし、ネットでも見られるようになったので、さぞかしたくさんホラーを楽しめるのかと言うと、そうでもありません。パパは怖いのが苦手な人なのです。パパが留守にしているか、書斎にこもって仕事をしている間に上映開始します。それでもまだ問題なのが猫達です。 

 ボスのドンごろーは勇気を振り絞って様子を伺っています。

「オラこわこわっ⋯怖くなんかねえぞぞぞっ」

 猫は突然大きな音がするのをとても嫌います。悲鳴などもってのほかで、ホラー映画は最悪なのです。始まるとみんなどこかに逃げてしまい、おデン様などは明らかにお怒りになります。

「乳母っ!!やめよっ! また夢に出るではないかっ」(女王様の憂鬱)

 コバンは固まってしまって動けません。

「なぜ拙者の悪霊払いが効かぬのだ?? 奥方様の魔物招喚術恐るべしっ!」

  かわいそうなダンゴ君はひとりで怯えています。

「うわわわわ〜っ!!だずげで〜っ! 僕もう死ぬぅぅぅ〜」

 パパと猫達のヒンシュクを買いながらも、全く肩身が狭くなったりはしないママなのです。 

2017-02-13 18:19 

62.ぶんぶんシャッターチャンス

 ママは連写機能を使えば、今まで逃してきた決定的瞬間が写ると思ったのに、しょーもない写真が大量生産されて、削除の手間が増えただけでした。
 ゴンのジャンプを撮るつもりが、2枚目はシッポの先が画面の端っこにかろうじて写り、あとはひたすら散らかったキッチンのショットが続くだけ⋯。「ゴンゴン素早すぎっ!」(じゃなくてママがトロすぎっ)
 しかも外で風景を撮ろうとして、連写設定のままになっているのに気づき「解除はどうやるんだっけ??」自分のカメラなのに操作法が分かりません。最近の機種は多機能になりすぎて、ママには覚えきれないのです。(覚えていたとしても使いこなせないと思う) さらに撮影に非協力的な猫達にも手を焼いています。

「ガンちゃん 降りて来てー」(カメラ嫌いで逃げ回る)

「ドンごろー 相撲の立会いかい?」(じっとしててくれない)

「お嬢さん方 ガールズトークの最中にスミマセンが⋯」(聞いてないし)

「おみゃー達は何やっとるんじゃ!」(取り込み中です)

 ママのベストショットを聞いてみると
「ベストと言えるのなんて無いけど、神戸で撮ったのが好きかなー」

 あのー。猫写真の話なんですけどー。「失礼しましたっ」
 猫のでは「ぶんぶんキャッツがやって来る!」の最初の一枚が、お気に入りだそうです。やっぱり私(ブン)がイチバンなんですね!!

 ママはあの頃デジカメがあったら、もっとたくさん撮影したのにって、とっても残念なんだそうです。だから現役ぶんぶん達を、いっぱい撮ってやりたいって言ってます。
 ヘボ写真でも数打ちゃ当たる〜!? (だといいね) 

2017-02-09 18:12 

61.猫ふんじった!

 猫飼いが誰でも一度はやった事がある「猫踏み」特に仔猫は親に付いて歩く習性があり、足元にまとわりついて来るので危険です。まして多頭飼いだと、一匹うまく避けても別の猫がそこに居たりします(!!) 猫を踏むか自分がコケるかの、究極の選択を迫られて「おちょ!」「 あちょ!?」いきなりバランス感覚のテストになるのです。

 パパはママが転んで頭を打って死んだら、殺人の疑いをかけられると心配しています。近所の人が「あそこの奥さんはよく顔にアザを作っていた」と証言すると言うのです。(ねんねこ攻防戦) アホでトロい猫だらけの我が家では、パパを殺人犯にしないように、とことん慎重な足さばきが必要になります。

 いつも道の真ん中で堂々と寝ている奴。どかないので、またいで行かなければなりません。

 音も無くやって来ていつの間にか真後ろに座り込んでいる奴。振り向いた途端とっさに対処する反射神経が必要です。

 暗い場所に溶け込んで見えない奴。電気を点けた瞬間に気が付き、たまげてパニクらないような強心臓が求められます。

 座っている時も気を抜けません。椅子の下の猫を轢かないように気をつけて立ち上がりましょう。

 ただ歩くのだって、何故か人の行く方向に逃げようとする猫達を、蹴散らしながら進まなければならないのです。

 さらにスキあらば飛び掛かろうと、狙っている奴がいるのを忘れてはいけません。飲み物を持ってる時は、ホントに危ないですからねっ!

2017-02-06 17:32 

59.朝からぶんぶん! 夜までぶんっ!

「乳母っ!乳母っ! わらわは空腹じゃ!」おデン様の大声でパパとママが目を覚まします。

 先に起きたパパがキッチンでグァバ茶を飲んでいると、走って来たボンにゃんが立ち上がってスリまくり「ととちゃま! 抱っこ抱っこー」

 足元にはダンゴ君がまとわりついて「旦那さん!旦那さん!」と言い続けています。

 寝ぼけたまま渋々顔を洗いに行ったママは、追い掛けて来て洗面ボウルに座ってしまうコバンを、どかさなくてはなりません。「奥方様!水を出してくだされ! 拙者が清めまするゆえ」大きくなって重たいコバンを「よっこらしょ」と下ろしても、すぐにまた飛び乗って「奥方!水をっ!!」朝からやれやれです。

 ママがようやくキッチンでコーヒーを飲み始めると、例によってゴンゴンがアンヨちゅばちゅばをさせろと叫んで、頭突きを開始します。「オカ〜ン! 愛してるよオカ〜ン!」抱き上げてやるまで何度でも飛び付いてくるので、ママも諦めてちゅばらせてやります。

 リビングで朝食を食べているパパの元には、おデン様が現れて「門番! 何を食しておるのじゃ!」クンクン匂いを嗅ごうとして、鼻ペチペチで追い払われると「無礼者っ!!」怒ってしまってしばらく口をきいてくれません。

 ママが猫のゴハン・トイレ掃除・自分の朝食と一通り済ませ(猫が先なの)PCの前に座ってメールチェックを始めると、今度はずっと我慢していたガンちゃんが指ちゅばをせがみます。「義母上!どうかお願いいたします!お願いいたしますっ!」

 その後ろではドンごろーが目を輝かせて「おっかあ!お腹コニョコニョしてぐでー。おっかあ!」落ち着いてお仕事できません。

 昼間の猫達も掃除機との追いかけっこ・ブロレス大会・お料理の見学・ゴミまとめのお手伝い・お布団乾かしのフカフカ度チェックなど、毎日予定がいっぱいです。

 そして夜になり、またゴハン・トイレ掃除を済ませ、寝る前に歯を磨こうとするママを追い掛けて来たコバンが「奥方様っ!水を清めますので出してくだされっ!」この繰り返しなのです。

あ〜〜あ。

2017-01-30 17:58 

57.ど忘れ・忘却・物忘れ

 昨日パパは作家さんの所にメガネを置いて来てしまい、夜遅くに取りに戻りました。呆れていたママも人を笑えません。「ボケ老人になるのが怖い」と言っていますが、ママは若い頃からかなりボケていたのです。

 時々何かをしようとして隣の部屋に行って、何をしに来たんだか思い出せなくなります。何かの最中に電話が掛かって来るとか、誰か訪ねて来るとかすると、それまでやっていた作業をすっかり忘れてしまいます。

「バースデイ・ブルー」で自分の誕生日の不満を書いていたママは、猫達の誕生日を覚えていません。2日も過ぎてから突然思い出して「ハッピーバースデイ」を歌ってくれます。どうせ猫だから分からないと思っているんでしょうか。 (※ドンが舐めているケーキは、本物ではなく食品サンプルの物入れです)

 パパも猫達の名前をど忘れして「おいゴン! ガン! ドン!」と全部呼んでみたりします。「ぶんぶんキャッツ」の名前はみんな紛らわしくて、よく聞き間違えや言い間違えがあります。さらにママが「スットコランドストーリー」「スタートリック」のお話で、別の名前も付けるので、よけい混乱するのです。

 健康情報番組などで物忘れに効くという知識を仕入れても、しばらく経つと内容を覚えていないので、あまり役に立ちません。それより困るのはママの、都合の悪い事は全部忘れちゃう性格の方です。

2017-01-25 18:56