432.あっちこっちにアッチッチ

 ゴンゴンが溶け出すこの季節は、より涼しい寝床を求めて、猫達の移動が始まります。

 おデン様も、寝ている間にこぼれ落ちて、目を覚まされました。「暑いではないか」

「キッチンもあっついわよー」ボンにゃんは眠れないようです。

「リビングも暑過ぎですよね」ダンゴ君も目を覚ましてます。「移動しましょう」

「玄関のタタキは少し冷たいですよ」
「風呂蓋はイマイチね」
「蓋の上より床の方がましではないか?」

「洗面ボールなら冷たいでござるよ」コバンく〜ん!そこは寝てちゃダメな場所でしょ?

「オラはどこへ行けばいいずら?」ドンごろーは迷っています。

「ここは快適ですよ」ガンちゃんが呼んでいますが⋯。

「ここ すげぇあっちぃでねえかー!!」

 宇宙猫達は灼熱の星から来たんですよ。ガンちゃんの快適を信じちゃいけまへん。

2023-07-08

379.あっちこっちでアッチッチ

 先週までは元気に走り回っていた猫達が、今週は床に行き倒れています。

 あっちにもこっちにも、奥にも転がっているんですよ。

 ゴンゴンは“うらめしや”になっちゃってます。

 ドンごろーも目がイッちゃってますね。

 この炎天下に働いてる人達も居るんですよ。

 お外の仕事は大変です。

「拙者にはムリでござる」「黒猫は特に暑いのでござるよ」コバンは涼しいタンスの上です。

 ダンゴ君も冷たい玄関のタタキに移動しました。「僕も黒猫に近いんですからぁ」

「ただでさえ暑いのに、暑苦しい写真ばかり並べるのはやめたらどうじゃ」おデン様のおっしゃる通りですね。

「皆さんぐったりしてどうしたのですか?」ガンちゃんは灼熱の星からやって来たので、このくらいの気温は平気なのです。

「そんなに暑いと言うなら私が宇宙の怪談を語って聞かせましょう」「昔々貨物船ノストロモ号は地球に帰還する途中で⋯」ガンちゃんだけが、涼しい顔していたのでした。

2022-07-01