510.シン・猫屋敷の怪

「あれ?もしかしてブンたんじゃね?」ゴンゴンが、何もない天井に話しかけています。

 ガンちゃんも上を眺めています。「ギンさん⋯お久しぶりですねぇ⋯」

 ドンごろーも顔を上げて驚いています。「ギンさん!オラを覚えてるだか?」

「おねーちゃん達だれなのっ!?」ボンにゃんは不思議そうです。

「どうしたのでござるか?」コバンはまじまじと見つめています。

「これどーゆうことですか?」ダンゴ君の視線の先には、何があるのでしょう。

「わらわは天上に新しい王国を築きに行くのじゃ!」「二人の姉達も迎えにきてくれておるでの」

 スットコランド女王 デニース・オーデン様 ご逝去なさいました。

 スットコランドはこれより49日間の喪中に入ります。

2025-03-29

509.猫屋敷の怪・リボーン

 ドンごろーが何かを捕っています。おデン様もダンゴ君も眺めているのに、ママが確認すると何もありません。

 食べちゃったようで、ペロペロしています。

「ニンゲンには見えないアレでしょ?」ボンにゃんの生首は気にしてませんね。

 ガンちゃんはゴンゴンの生首をかかえて熟睡中。

 ゴンゴンの生首が、熟睡中のガンちゃんを舐めていることもあります。

 おデン様は短毛種になってしまわれたようで、固まっていました。

 コバンは写真を撮るたびヘンになります。光をまとっていたり、目が巨大化したり、尻尾がシマシマになったり、まともに写りません。

 ダンゴ君の背中には、ナスカの地上絵のようなものが出現しています。

 目を覚ましたと思ったら、今度は誰もいない所に向かって、しきりにあやまっています。いったい何をやらかしたのでしょう。

2025-03-23

508.お返事にゃ〜い!

 ゴンゴンがママに答えています。甘えてアピールし続けます。

 いつまでも騒いでうるさいので、毎日うんざりします。うっかりゴンに話しかけてしまったら、最低30分は悩まされるでしょう。

 ガンちゃんは、宇宙怪獣のような声で答えます。

ドンごろーは、口をパクパクさせるだけです。鳴くことが滅多になく、お返事しない奴なのです。

 エア鳴きでダメなら、お手手でみとみとします。意地でも声を出しません。

 おデン様は、ハッキリお返事をなさいます。

 ボンにゃんは、普段ママに向かっては鳴きません。これは捕まえられて叫んでいる様子です。

 コバンは、大きな体に似合わず、とても小さな可愛い声です。この子も6・7歳になるまでは、まったく答えてくれませんでした。

 ダンゴ君は、さらに小声なので、音量をいっぱいに上げないと聞こえませんよ。

 小鳥のような声で、短く答えます。

 イメージとしては、大きく口を開けて、しっかりした声で鳴くと思ったでしょ?

2025-03-15

507.いろいろ驚く3月にゃ

“ヒナ”祭りの夜

 2月が逃げる月なら、3月は追いかけられる月です。毎年時間がないです。我が家ではひな祭りはムリなのでやりません。忙しいからじゃなくて、猫達が大喜びするからですよ。喜ぶってどういう状況か、想像つきますよね?

「スカボローの市に行くのかい?」

 数日前によそのコメント欄で「スカボローフェア」の話題が出ていて、歌詞が意味不明と言われていたのが気になり、調べて驚愕しました!
 叶わない恋を不可能な頼みにたとえている歌だと理解していたら、これ 悪霊に出会って魔除けのおまじないを唱えてる旅人の話でした!!
 繰り返される「パセリ・セージ・ローズマリー&タイム」のフレーズは、全部魔除けのハーブなんですね。霊の声に聞き入ったり答えたりすると、連れていかれるので、恋人への伝言を頼んでいる騎士の亡霊の話を、聞かないように頑張ってるんだそうです。がんばれー。
 ちなみに日本も含め世界中で、魔物の声に耳を傾けたり応えてはいけないとの言い伝えがあります。暗い夜道で誰かが話しかけてきても、相手の正体を確かめるまでは、返事しちゃいけませんよ。

猫用見張り台ではありませぬ。

 去年の今頃は“毒ガス攻撃”に苦しんでいて、空気清浄機を買い足したのでした。1年経ってそろそろフィルター交換をと思ったら、エレクトロラックス社が日本から撤退していました!
 代替品なら買えるのでひとまずは良しとしますが、なんだかなぁ。
 最近は外国製でなくても、会社が買収されたり、部門が撤退したりして、家電の修理や部品入手が不安になるではありませんか。

「かかちゃまの選び方に問題あるんじゃない?」

 でも揮発性物質の数値が確かめられるタイプで、手に入るのがこれしかなかったんですよぉ。

「お清めなら拙者がすると言ったでござるに」

 コバンがお清めすれば、すべてOKなんでしょうか。面倒な雑事もぜーんぶお祓いしちゃって欲しいですぅ。

2025-03-07

506.二月は逃げるにゃ大変にゃ

 毎年ぶんぶん家の2月は、カイシャの税務申告で、むちゃくちゃになってしまいます。早めに済ませたつもりでも、税理士さんからダメ出しがあり、それを何とか終わらせても、この間に溜まった仕事が押し寄せてきます。 

 お手伝いはしないよう言い付けられている猫達は、いつものようにのんびりしています。寒い日はくっついて眠るのが良いですね。

 ガンちゃんが見当たらないので、ダンゴ君の横に割り込んで来たゴンゴン。「なんですかぁ」「さみーから一緒に寝ようぜ」ダンゴ君は困惑気味です。

 ゴンゴンが見当たらないので、コバンの横に入ってみたガンちゃん。「なんでござるか」「寒いので一緒に寝ませんか」コバンも困っています。

 おデン様がお隠れになっているのは、ママに洗われるのを恐れているからです。「わらわの誕生日も忙しいとスルーしたくせに、せんでも良いことは欠かさないのじゃな」今日ママが探しているのは、おデン様じゃありませんよ。

「まさかわしを捕まえるつもりじゃにゃーだよな」ワン・アンは睨んでいます。

 ダンゴ君は慌ててお手入れを始めました。「僕キレイです」「僕自分でキレイキレイできまっす」

 パパのダウンベストに、尻尾が生えていますが、ママは素通りです。「拙者はおりませぬよ」コバンは居ないのですね。

 一方ゴンはしつこくまとわりついてきます。「オレと遊ぶっ?」「オレと風呂場で遊ぶっ?」「遊びませんっっ!!」ゴンをお風呂に入れると、とんでもないのです。

 結局この日シャンプーされたのは、ボンにゃんでした。「酷い目にあったわっ」「怖かったわっ」「寒いのになんでよっ」怒っています。

 そしてやっぱりおデン様も、連れて行かれてしまいました。「乳母め ボンをおとりに油断させおったな」

 ドンごろーは、皆の騒ぎをよそにくつろいでいました。「ふぁ〜っ。今日もヒマずら〜」暇なのは猫だけですよ。ニンゲンは慌ただしく2月が終わってしまいました。

2025-02-28