432.あっちこっちにアッチッチ

 ゴンゴンが溶け出すこの季節は、より涼しい寝床を求めて、猫達の移動が始まります。

 おデン様も、寝ている間にこぼれ落ちて、目を覚まされました。「暑いではないか」

「キッチンもあっついわよー」ボンにゃんは眠れないようです。

「リビングも暑過ぎですよね」ダンゴ君も目を覚ましてます。「移動しましょう」

「玄関のタタキは少し冷たいですよ」
「風呂蓋はイマイチね」
「蓋の上より床の方がましではないか?」

「洗面ボールなら冷たいでござるよ」コバンく〜ん!そこは寝てちゃダメな場所でしょ?

「オラはどこへ行けばいいずら?」ドンごろーは迷っています。

「ここは快適ですよ」ガンちゃんが呼んでいますが⋯。

「ここ すげぇあっちぃでねえかー!!」

 宇宙猫達は灼熱の星から来たんですよ。ガンちゃんの快適を信じちゃいけまへん。

2023-07-08

431.ぶん!ぶん!お手伝い

 “良い子”のぶんぶんキャッツは、何かあるとすぐ集まってきて、みんなでお手伝いしてくれます。

 ゴンゴンは特に“働くオヂサン”専門の係りで、作業の進行状況を見守り、気になる所を確かめたりもします。「シゴトはどうだい?」

「箱のチェックだって率先してやるぜぃ」

 こちらではドンごろーが、梱包材のお片付けをしていますね。「どこに持ってけばいいずら〜」

 ガンちゃんはママに、タオルのしまい場所を指示しています。「ここに入れると良いでしょう」

 ボンにゃんはパパのお仕事の監視ですね。「ととちゃまはアタチがいないとダメなのよ」

 ダンゴ君は書類の番をしています。「僕がしっかり守ってますから」

 この二人は、パパが食べきれないオヤツを、食べてあげてるそうです。

 ガンちゃん今度は、ママのエコバッグに匂い付けしてますね。「義母様の荷物がすぐ分かるように、ヨダレと鼻水も垂らしておきましょう」

 コバンはママの椅子でバリバリしていますね。「こうやって座り心地を良くするのでござるよ」

 お手伝いをし過ぎるとママに捕まって、おデン様のように強制退去させられます。「何故わらわも一緒にやらせないのじゃ」おデン様はお怒りですが、洗濯物を干すそばから、次々洗濯バサミをお盗りになるのです。

2023-07-01

430.にゃほん昔話・小熊兄弟 相撲の稽古

 昔々その昔。巣床村の猫浦ちゅう所に、黒と灰色のこぐま兄弟がおってな。毎日相撲を取り合って技を磨いていたそうな。

 黒熊の蛮八は他の熊達に「耳がとんがった変なヤツ」と除け者にされてここに来たのじゃが、巣床の猫達にも避けられておった。「拙者はクマではござらん」

 ひとりぼっちの蛮八の為に、耳が折れた灰色熊 弾九郎も貰われて来たのじゃ。「僕もクマじゃないですぅ」

 変わり者の二人はすぐに意気投合すると、いっしょに大きくなっていき⋯。「僕達クマじゃないし〜」「変わり者でもござらんよ」

 力を持て余すこぐま達は、鈍五郎親方に入門して、毎日指導を受けてな。

 疲れた時は、頑四郎に面倒を見てもらうようになったのじゃ。

 上達すると、巣床院お伝様の前で立ち合いを披露し⋯。

 力量が認められて、警備の仕事が与えられたそうな。

 厳しい白玉小ぼん姐さんに怒られることも多かったのじゃが⋯。「後ろもしっかり警戒なさいっ!」「前も後ろも見張るのでござるか」「後ろは僕に任せて下さいっ」

 こぐま達はそれからも、毎日欠かさず稽古を続けたので、親方ももう何も言わなくなったでな。

 やがてマムシの権三に襲われても負けないほどに成長し⋯。

 ついには権三と対等に戦うまでに強くなったのじゃった。

 そして二匹は今でも、巣床村で幸せに暮らしているそうな。「でも僕達 今でも下っ端のままですよね」「夜回り組から少しも出世しないでござるな」

2023-06-24

429.猫屋敷の怪・ファイナル

 運河をオバケが泳ぎ回っていたある日⋯。

 猫浦の空には、謎の「2」が飛んでいました。(↑クリックすると大きくなります)

 風もないのにガンちゃんの耳がひるがえり⋯。「今 誰か横を通りませんでしたか?」

 コバンは天井に何かを見つけたようです。「むむっ 怪しい影でござるな」

 おデン様は素早くお隠れになり⋯。「警備の者達 あとは任せたぞ!」

 しかしダンゴ君は首を盗られて動けません。「僕の首どこですかぁ!?」

 ゴンゴンは眠っている間に“猫又”になってしまったみたいで⋯。

 ボンにゃんの様子もオカシイのです。「ここはどこっ?アタチ空飛んでるっ!?」

 “あやかし”にかどわかされて幻を見ています。

 猫屋敷では時間がワープしたりグルグル進んだり⋯。

 外では行きつ戻りつして進みません。

 頼みのドンごろーも、永遠に捕まえられないネズミに手こずって、我を忘れていたのでした。

2023-06-17

427.ぺろぺろカミカミべ〜ろべろ

 ボンにゃんが蕎麦つゆのパッケージを舐めています。「え?何かモンダイなのっ??」ま、良いけどー。

 ゴンゴンは発泡スチロールをカミカミしてます。「別にいーだろ?」全然良くないです。

 ドンごろーはプリンター用紙の包装をペロペロ。「味はまあまあずら」そんなもの味見しないのよ。

 ガンちゃんは噛みちぎってますね。「紙の粉砕は任せて下さい」任せた覚えはありませんっ! (※破いた紙は食べずに下に落としています。下は紙屑だらけです)

 おデン様はキャットニップ袋をナメナメすりすり。「これは舐めても良いものであろう?」よろしいですよ。ヨダレだらけになってますけど。

 これはコバンの毎日のお勤めで、水のお清めベチョベチョです。「どれどれ⋯今日も水は清浄でござるな」アンタのお清めで汚れたような気が⋯。

 こっちはコバンのお清めじゃなくてクマをちゅばちゅばしています。「これは拙者のクマでござるから〜」ハイ構いませんよ。ガビガビになっちゃってますけどね〜。

 ダンゴ君がベロベロ噛み噛みしているのはコーヒーフィルター。「味も匂いもなかなかのものですー」それはダメですっ! やめなさいってば!!

 そしてこちらはゴンガンの舐め合い。これも毎日見られる風景です。

2023-06-03