430.にゃほん昔話・小熊兄弟 相撲の稽古

 昔々その昔。巣床村の猫浦ちゅう所に、黒と灰色のこぐま兄弟がおってな。毎日相撲を取り合って技を磨いていたそうな。

 黒熊の蛮八は他の熊達に「耳がとんがった変なヤツ」と除け者にされてここに来たのじゃが、巣床の猫達にも避けられておった。「拙者はクマではござらん」

 ひとりぼっちの蛮八の為に、耳が折れた灰色熊 弾九郎も貰われて来たのじゃ。「僕もクマじゃないですぅ」

 変わり者の二人はすぐに意気投合すると、いっしょに大きくなっていき⋯。「僕達クマじゃないし〜」「変わり者でもござらんよ」

 力を持て余すこぐま達は、鈍五郎親方に入門して、毎日指導を受けてな。

 疲れた時は、頑四郎に面倒を見てもらうようになったのじゃ。

 上達すると、巣床院お伝様の前で立ち合いを披露し⋯。

 力量が認められて、警備の仕事が与えられたそうな。

 厳しい白玉小ぼん姐さんに怒られることも多かったのじゃが⋯。「後ろもしっかり警戒なさいっ!」「前も後ろも見張るのでござるか」「後ろは僕に任せて下さいっ」

 こぐま達はそれからも、毎日欠かさず稽古を続けたので、親方ももう何も言わなくなったでな。

 やがてマムシの権三に襲われても負けないほどに成長し⋯。

 ついには権三と対等に戦うまでに強くなったのじゃった。

 そして二匹は今でも、巣床村で幸せに暮らしているそうな。「でも僕達 今でも下っ端のままですよね」「夜回り組から少しも出世しないでござるな」

2023-06-24

395.イベントスルーはダメにゃ

 おデン様ツノを出してお怒りです。「10月23日は建国記念日(ブログ開設日)ではなかったのか?」「またパーティをスルーしおって!」「今年は隠し芸大会をやろうと思っておったのじゃぞ」それは残念でしたね。ママはPC不調でそれどころじゃなかったみたいよ。

 ダンゴ君は“輪くぐり”の練習をしていたのです。

「拙者は“まっくろくろすけ”をやろうかと⋯」まっくろくろすけはやらなくて良いです。

「しかし拙者の晴れ舞台のハロウィンも記事がなかったのでござるよ」「トリート袋を下げて待っていたでござるに」コバンそれトリート袋じゃなくて幼稚園バッグだと思うよ。

「準備万端だったのでござるよ」「いろんなポーズをして画像も作ってもらっていたのでござる」

「こんなのとか⋯」

「こんなのもあったでござる」また来年頑張ろうねー。

 でもおデン様は一応芸を披露なさるそうです。

「わらわの“フォースで紙飛ばし”はどうじゃ!!」

 女王様には[必ず拍手]して差し上げなければなりませんので、よろしくお願いしますね〜。

2022-11-04

343.明日はハロウィン

 今朝のコバンは、いつもより張り切って“みそぎ”をしていました。

「今日の天気はどうでござるか?」「一日中よく晴れるようですね」「明日も晴れでござるかな」「雨になるようです」「えっ!雨だとホウキで飛ぶのは大変でござる」「どこかに行くのですか?」「明日はハロウィンでござるよ!」

「乳母が、今年は選挙があるからハロウィンパーティは無いと言ってなかったか?」「言ってたずら」「人出が増えてて危ねぇから、外に出るのもダメだって言ってただよ」

「えっ!?そんなぁ⋯」「去年のハロウィンも中止だったのでござるよ〜」

「選挙特番でコバンの好きなアノ番組もお休みだそうですよ」「なんだっけ?“バケツの飼い葉”じゃなくて“地熱の宿場”じゃなくて⋯」

「“おケツの合間”じゃね??」

「アンタ達ほんっとバカねっ」「“秘密の八重歯”でしょ!」「違うでござるよ〜」「でも確かそんなタイトルだって⋯」「もう“機密の焼き場”でも“自滅のヤマンバ”でも何でも良いでござるよ〜」

「しっかりしろよぉ」「今年も菓子がもらえないのでござる〜!!」

「飾り付けは出来てるわよっ」「お菓子も色々置いてあるからねっ」

「でもやっぱり出掛けたいのでござる」「せっかく年に一度の黒猫の晴れ舞台なのに⋯」

「コバン機嫌直して良いお顔してね」「記念写真を撮りますからね」ママがカードを作ってくれましたよ。

2021-10-30

287.秘密の恋はいつもダメダメ

「ボン様 おはようでござる。今日は良い天気でござるな」「そうねっ」

「おはようでござる。今日も良い天気でござるな」「雨降ってるんじゃないの?」「えっ⋯」

「今日は朝方が曇りで⋯」「昼頃が雨で、今は晴れたでござるなっ」「それがどうしたのよ」

「今日の天気は⋯」「アンタお天気の他に喋ることないのっ?」「え!? えっ⋯と⋯」

「ボン様 拙者と二人で食事しませぬか?」「アタチはひとりでゆっくり食べたいの」

「今夜のご飯は美味しかったでござるな」「毎日同じご飯でしょ」

「ボン様 拙者とこの箱に入りませぬか?」「アンタだけでギュウギュウじゃない!」

「こっちの箱なら広いでござるよ〜」「アンタの重みで潰れてるわよっ!」

「ボン様 ここで一緒に爪研ぎを⋯」「アンタいつも邪魔なのっ!!」

「アタチはととちゃまの所に行きたいんだからー!!」「⋯うぅぅぅぅっ」

 コバンはとうとうボンにゃんに怒られてしまったようです。

2020-10-03

279.秘密の恋はいつもバレバレ

「えっ? 拙者に好きな猫がいるですと!?」「ま、まさかぁ。い、いませぬよ〜」「万が一その様な事があったら⋯きっと⋯」

ぎゃははははははっ!

「おもしれーなっ」「お前みたいなブヨブヨのボンクラを気に入るメスがいるかよっ」「みんなオレ様のようなカッコイイ男が好きなんだぜぃ」「想うだけ無駄さっ!」

「せ、拙者は誰も想ってなどおりませぬ」「ひそかに慕っているお方などおりませぬから⋯」

ぬぁんだとぉぉぅ!

「オメェは見回りをサボってメスとイチャイチャしてるんか?」「オラだってなかなかおデンと仲良くできねぇのにっ!」「彼女作るなんぞ10年早えぇずら! !」

「拙者はメスとイチャついてなどおりませぬ」「イチャつきたくても⋯いえ決してそんな考えは⋯」

「アンタ何見てんのよっ」「よ、良いお天気でございますな」

「え、えーと。この辺りに異常はありませぬか?」

「せ、拙者はただ通りかかっただけでござるよ」

「寝ている時にそっと近づけば怒られないのでござる」「良い夢が見られそうでござる」

 コバンはいつか本当に、ボンにゃんの横に寄り添って眠りたいのでしょうね〜。

2020-07-24